「富〜士は日〜本一の〜山♪」
日本人なら、富士山は一度は登ってみたい山ではないでしょうか。ところが、誰もが登りたいと思うこの日本を象徴する美しい山が日本一高い山でもあり、その山頂の標高は気軽に行くにはちょっと難有りな山でもあるのです。
気をつけてくださいね。五合目(中腹)までは今や車で行けるのが当たり前になっているわけですが、そのことは、本来、麓(ふもと)から五合目までの登山で体験し養われるべき能力を飛び越え、省略してしまう結果になり、素人同様の登山者が中腹から登山を始めるという結果をもたらしています。しかしながら富士山の危険はそんな登山者事情とは関係なく、実は現役で存在しているのです。
私の富士登山の2度目だったか3度目だったか。半そで・短パン・ビーチサンダルで夜中の11時に山頂に到着した登山者と出会いました。無謀です。
富士山山頂は真夏でも夜は凍て付く真冬の世界。 東京では座っているだけで汗がタラタラ滴り落ちる暑さでも、富士山山頂は極寒の世界なんです。
「今年はこれだけ暑いから防寒着は要らないだろう。」
荷物はできるだけ少なくしたいと考えるわけで、私自身いつもそれで騙され、現地で後悔します。それくらい下界と山頂とは世界が違うんです。準備する際、少しでも普段住んでいる東京の常識で考えるとその分、山頂で後悔することになります。
ちなみに、富士山は標高 3776m。つまり約 4km。たった4km 上空へ上がっただけで真夏に極寒の世界に飛び込めます。富士登山ではいかに我々が普段薄い大気の層の中に住んでおり、快適な生活が奇跡的なのかを体感できます。
この登山者は夜中の11時に私しか居ない山頂に到着。私は度肝を抜かれました。南極の氷の上でベースキャンプを設立していたところ、浮き輪を持った水着の人が現れたような気分でした。
しかし彼はその後、日の出までの数時間を山小屋や施設・石垣の脇で風を避けて過ごしたのでしょう。見事、日の出(の時刻)を迎えて下山していきました。いえ、「なんだ、なんとかなるんじゃないか」 などとは思わないでください。無理なことを無理矢理やったのです。ずっと一緒にいたわけでも、常に見張っていたわけではないのでわかりませんが、きっと周囲の誰かに援助してもらったんだと思います。2009年夏に数年振りに登頂しましたが、やはり短パン・Tシャツ・ビーチサンダルで数時間を過ごせるような環境ではありません。風があったこともあり、完全装備でもガタガタふるえて日の出時刻を待ちました。無風でも厳しい・・・と思います(*当年には遭難者が出ています)。
しかし、あの凍て付く山頂で数時間を丸まって過ごした(?)彼の根性には脱帽するのですが、軽装備登山の無謀さを確信しています。その後、彼から手紙をもらい、その後の体験を知ることができました。 もともとは麓の湖に遊びに来たんだそうです。ところが、富士山がきれいに見えたので登ってきたんだそうです。確かにあの時、登る前には下界から富士山がきれいに見えました。
日の出の時間を過ぎて下山した時はサンダルの鼻緒が切れて大変な思いをしたそうです。 富士山の下山道は “砂走り” と呼ばれ、数ミリから数センチの溶岩質の小石で出来ているうえ、下り坂のために一歩進む毎に大きく進み、ザッと小石の地面に靴が埋まります。
周囲の景色はまるで月の世界で、溶岩質の小砂利の下山道が数時間続きます。十分な装備の人でもウンザリするような道程なのです。
想像できると思いますが、小石が靴の中に入ると非常に痛い思いをします。よって登山の際には出来るだけ異物が靴の中に入らないように、くるぶしが隠れるちょっと長い靴を使用します。これならば例え岩の間に足を入れてしまった時もくるぶしを擦り剥かずに済むわけです。
登っている最中は初めは暑くて汗を拭き拭き登りますが、高度が上がるにつれ涼しくなり、丁度よくなってきます。
「登山」 という激しい運動をしているので寒さが丁度く涼しく感じるのでしょう。しかしそれは運動し、発熱しているから調度いいのであって、ひとたび歩みを止めれば体は序序に冷え、段々と寒さを感じ、次第に寒さが深刻になり、ついには危険を感じるようになります。下界からは見えませんが噴火口内部には雪が残っていますからね。それは山頂が雪が解けるような気温ではないことを意味します。
富士山に限らず登山には・・・
は最低限絶対必要です。だ〜めだって!半そで・短パン・ビーチサンダルで来ちゃ!!それから山頂で日の出まで数時間待つ場合は厚手のフリース等やモッコモコな寝袋がほしいくらい。
体温保持の為に山頂で日の出まで数時間マラソンしてる訳にはいきませんって!暗いしデコボコだし既に疲れてるし、頭痛いしそんなことする体力も余裕もありませんって!それにライトで足もと照らしながらマラソンするの?
無理だって!! >>page02へ