富士登山 〜 富士山頂上は別世界 〜

「ふ〜じはに〜っぽんいちの〜やま〜〜♪」

日本人なら、富士山は一度は登ってみたい山ではないでしょうか。ところが、誰もが登りたいと思うこの山が実は日本一高い山であり、その山頂の標高は気軽に行くにはちょっと難有りな山でもあるのです。

気をつけてくださいね。五合目(中腹)までは今や車で行けるのが当たり前になっているわけですが、そのことは、本来、麓(ふもと)から五合目までの登山で経験し養われるべき体力や装備、知識や経験をも省略してしまう結果になったようで、素人同様の登山者が、普段着で、中腹から登山を始められるという結果をもたらしています。確かに、手軽に非日常が味わえるのだからそれはそれで便利なことだとは思いますが、一方で富士山の怖さはそんな登山者事情とは関係なく現役で存在しているのです。

私の富士登山を始めて2度目か3度目だったか。半そで・短パン・ビーチサンダルで夜中の11時に山頂に到着した登山者と出会ったことがあります。無謀です。

富士山山頂は真夏でも夜になると凍て付く真冬の世界になります。 東京では座っているだけで汗がタラタラ滴り落ちる暑さでも、夜の富士山山頂は極寒の世界。その証拠に、富士山火口には8月になっても雪が残ります。

「今年はこれだけ暑いから手袋・防寒着は要らないだろう。」

東京の常識に染まるとどうしてもそう考えてしまいます。登山となると背負う荷物はできるだけ少なくしたいと考えるわけで、私自身いつもそれで騙され、現地で後悔します。それくらい下界と山頂とは世界が違うんです。用具を準備する際に少しでも普段の慣れ親しんだ住環境の常識で考えると、その分、山頂で後悔することになります。

ちなみに、富士山は標高 3776m。つまり約 4km。たった 4km上空へのぼっただけで真夏に極寒の世界に飛び込みます。富士登山をすると我々がいかに薄い大気の層の中に住んでいるのか、普段の生活がいかに快適なのものなのかを思い知らされます。

この登山者は夜中の11時に私しか居ない山頂に到着。私は度肝を抜かれました。まるで南極の氷の上でベースキャンプを設立していたところ、浮き輪を持った水着の人が現れたような気分でした。

しかし彼はその後、日の出までの数時間を山小屋や施設・石垣の脇で風を避けて過ごしたのでしょう。見事、日の出の時刻を迎えて下山していきました。いえ、「なんだ、なんとかなるんじゃないか」 などとは思わないでください。無理なことを無理矢理やったのです。ずっと一緒にいたわけではないのでわかりませんが、きっと周囲の誰かに援助してもらったんだと思います。2009年夏に数年振りに登頂しましたが、やはり短パン・Tシャツ・ビーチサンダルで数時間を過ごせるような環境ではありません。風があったこともあり、完全装備でもガタガタふるえて日の出時刻を待ちました。無風でも厳しいと思います(*当年には遭難者が出ています)。

あの凍て付く山頂で数時間を丸まって過ごした(?)彼の根性には脱帽するのですが、軽装備登山の無謀さを確信しています。その後、彼から手紙をもらい、その後の体験を知ることができました。 もともとは麓の湖に遊びに来たんだそうです。ところが、富士山がきれいに見えたので登ってきたんだそうです。確かにあの時、登る前には下界から富士山がきれいに見えました。

日の出の時間を過ぎて下山した時はサンダルの鼻緒が切れて大変な思いをしたそうです。 富士山の下山道は “砂走り” と呼ばれ、数ミリから数センチの溶岩質の小石で出来ており、急な下り坂のため、一歩踏み出す度に大きく進みます。この時、踏み出した足が地面に埋まったり、勢い余って滑って転んだりする光景がしょっちゅう見られます。そして、この坂道がクネクネと九十九折り(つづらおり)しながら延々数時間続くのです。よって富士登山に使う足具には、@底に厚みとクッション性があり、A小石が中に入らないような踝(くるぶし)まであるもの(靴または土方足袋)が必要最低限の性能と言えます。ちなみに、登山道では7合目から岩場になるので、B靴底の柔らかいもの が適していると私は思っています(硬い登山靴より好適かも)。

登っている最中は初めは暑くて汗を拭き拭き登りますが、高度が上がるにつれ涼しくなり、丁度よくなってきます。

「登山」 という激しい運動をしているので寒さが丁度よく、涼しく感じるのでしょう。しかしそれは運動し、発熱しているから調度いいのであって、ひとたび歩みを止めれば体は序々に冷え、段々と寒さを感じ、深刻になり、ついには危険を感じるようになります。下界からは見えませんが、噴火口内部に残る雪は、そこがほぼ雪が解けるような気温ではないことを意味します。

富士山に限らず登山には・・・

は最低限絶対必要です。それから富士山山頂で日の出まで数時間待つ場合は厚手のフリース等やモッコモコな寝袋がほしい。

体温保持の為に山頂で日の出まで数時間マラソンしてる訳にはいきません。暗いしデコボコだし、坂だし、そんなスペース無いし、それ以前に既に疲れてるし、頭痛いしそんなことする体力も余裕もありません。それにライトで足もと照らしながらマラソンなんて無理です。>>page02

Copyright © 2004-2010 tokyoite.biz All right reserved.

[an error occurred while processing this directive]